全国寺社めぐり

2015.01.26 法隆寺東院伽藍、斑鳩の里、法輪寺、法起寺、慈光院参拝

2015.01.26 法隆寺西院伽藍から東院伽藍へ行きました。ここは、もともとは聖徳太子の住んだ斑鳩宮の跡地に建立された上宮王院という寺院だった、とか。

Photo

東院伽藍の中心となる夢殿です。八角円堂です。ここにおさめられていた救世観音像は長く秘仏として扱われてきました。

Photo_12

東院伽藍の鐘楼です。この下の部分が、あたかも袴のように広がっている型式は、鎌倉時代からはじまったとのことで、これも時代を知るひとつのてだてになるのでしょう。

中宮寺がこの裏手から入るのですが、すでにわたしは拝観していますので、カミさんの意向でパスしました。

Photo_2

さて、この日は文化財防火週間にあたり、西院伽藍の講堂で法要が行われたのち、放水デモが行われました。

しばし往時をしのんで、これから斑鳩の里をあるいて、三つの寺院に向かいます。

Photo_3

別名三井寺とも呼ばれる法輪寺は、聖徳太子の息子山背大兄王の建立。山門は質素そのものです。

Photo_4

この寺の創建時の三重の塔は1944年に落雷で焼失してしまいましたが、1975年に再建されました。幸田文さんが、勧進から完成まで何度もこの地に足を運ばれた、と聞きました。

Photo_5

飛鳥時代の仏像を拝見できました。拝観の受付・案内をしてくださった住寺さんご夫婦の、あたたかい対応に心打たれました。

Photo_6

法隆寺からの斑鳩の里散歩は、いまでは歩くよりも、クルマや自転車ではしり抜ける人が多くなったとのことデス。こちらは、カミさんのペースで歩いていますから、いやでものーんびりです。──ほんとは、サッサと歩かない方がくたびれるんですけどネ、しかたありません、ガマンガマンです。

Photo_7

法起寺は、聖徳太子が法華経を講説(法華義疏)した岡本宮をあらためて寺にしたと伝えられている。現存する日本最古の三重塔があり、講堂と聖天堂を左右に置いています。この寺域を出て、斑鳩の路に出ると、このロケーションをちょうど裏返しした感じになります。

Photo_8

道路から見える景色ですが、まわりは畑がずーっと広がっています。

Photo_9

峠をふたつだったか越えて、慈光院にたどり着きました。裏千家のお茶をたしなむカミさんに、ぜひとも見せたい場所でした。一のもんから入り口までのたたずまいからして、彼女は感に打たれたようでした。

Photo_10

慈光院は禅宗寺院です。まず方丈にお参りして、院のくまぐまを鑑賞して、書院でお茶をいただきました。石州流です。

Photo_11

本日は非公開であった庭園を、特別にご配慮いただいて小一時間かけて、ゆっくり見させていただきました。さすが、書院からの眺めもさりながら、庭園の到るところに一貫した精神性に心打たれました。ありがたいことです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.26 法隆寺西院伽藍参拝

2015.01.26 法隆寺へ参拝しにJRで法隆寺駅へ向かいました。

Photo_2

法隆寺駅で降車したのは、わたしたち夫婦だけ。

Photo_3

駅から法隆寺までは歩いて15分とされていましたが、カミさんのペースに合わせたので、ブラブラ歩きで30分あまり。舗道に埋め込まれている、案内プレートに従って行きます。途中、旧道らしき路に折れて、低い家並みを進みました。

Photo_4

どうやら直進すると伊勢路になるようだ。角の案内石にうながされて右に曲がる。

Photo_5

法隆寺参道の松並木を真っ直ぐ歩きます。行き交うヒトもなく、まさにのーんびり、夫婦連れであるくのは、カミさんの不具合以来のことで、彼女はなんだか涙ぐんでいる。そうだろうなァ、と共感する。

Photo_6

室町時代に再建された南大門に着き、これより法隆寺西院伽藍を拝観する。

Photo_7

さらに進んで、仁王門を見上げて、阿吽仁王像をじっくり眺めて、今月から1500円に値上げされた大人参拝料金を支払って、いよいよ1400年の歴史を誇る世界文化遺産の法隆寺を拝観する。

Photo_8

釈迦三尊像、薬師如来座像、阿弥陀如来座像、そして阿弥陀浄土図などがおさめられている金堂は、法隆寺で最初に建立されました。──以下、建造物の撮影はOKですが、残念ながら仏像などの尊像は写真NGでした。大事なモノがアップできませんが、しかたありません。

Photo_9

釈迦仏の遺骨、仏舎利をおさめるために建立された、仏教寺院ではもっとも重要であるとされています。

Photo_10

平安時代再建の大講堂で、薬師三尊像が安置されています。

わたしたちは、この建物の前、ちょうどこの写真の灯籠の奥の階段に小一時間すわっていました。それは──

Photo_11

この西院伽藍のすべてが見渡せ、かつ外のものがなにも見えない光景に目を見張ったからでした。およそ、今であり、現代であり、ふだんの日常がなにもない──そう、この伽藍の創建時の姿をここに見た、と思ったからでした。『在りし日のまま』でした。感激しました。感動しました。

Photo_13

いわば西院伽藍を取り巻いている廻廊は、すばらしいもので、柱も棟木も連子窓もじっくり時間をかけてみて廻りました。

Photo_12

西院伽藍から大宝蔵院の見学でしたが、内部のすべては写真NGでした。中央の百済観音像に、夢違観音像、九面観音像、玉虫厨子、橘夫人厨子、そして百万塔……ひとわたり拝見するだけで疲れるほどでした。

Photo_14

鏡池の畔に立つのが、正岡子規の「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」の句碑。

Photo_15

東室(食堂)と妻室(居室)は、重要建造物です。それぞれ奈良時代、平安時代の建築です。

Photo_16

これから、この先の東院伽藍に向かいます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015.01.25 宇治平等院鳳凰堂参り

2015.01.25 宇治平等院鳳凰堂にお参りしました。

Photo_2

手元の10円銅貨とくらべてみてください。写真は左右いっぱいにおさめないで、池に投影している像と重ねてみました。

Photo_3

平等院の左側からの景です。脇堂の姿を撮りました。

Photo_4

こちらは逆に右側からの景です。右端の端を渡ると、鳳凰堂の中へ。
見物客が多いのと、一回の見物人数の制約があって、長時間待ちでした。もったいないけど、パスしました。

Photo_5

平等院の鐘楼です。撞くことはかないませんでした。この鐘は、

Photo_6

日本三銘鐘といわれて、かたち、ナリ、姿が賞でられています(複製ですけど)。
施されている銘は、光線の加減でうまくとらえられませんでした。

Photo_7

山門通りの左右は、主にお茶(宇治茶)屋さんが軒を連ねています。中で、このお店はよくテレビで放映されているお店。歴史が古く、格式の高いお店ですが、いまは、この店先に立っている(あたまツルツルの方)養子さんに入られた外人さんが、すっかり有名になりました。親切な接客に感心させられました。

Photo_8

JR宇治駅に戻る途中の宇治橋のほとり、夢の浮橋ひろばで小休止です。
カミさんのすっかり回復した(と思う)体調をいたわりつつの、今回の旅は順調に滑り出しました。

Photo_9

JR宇治駅まえに「宇治市制50周年」を記念して設けられた郵便ポスト。
電車の時間待ちで見つけたのですが、こんな何げないモノをみると、足でなければ気づかないたのしさにうれしくなります。

Photo_10

JR奈良駅で下車して、今夜の宿の関係で、近鉄奈良駅に向かいます。
さくら通りは観光道路で、お土産グッズとお食事で出迎えてくれます。どこでも同じ風景といえばいえるけど、そう言ってしまってはかわいげがありません。「らしさ」を見つけながらあるきます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

三たび奈良を訪問(その4)奈良から大阪、そして熱海で春を……

熱海では1月10日から「梅まつり」、1月24日からは「あたみ桜・糸川桜まつり」の開催中です。
朝から寒ーい、寒い空気が張り詰めています。いそがないと……

Photo

先に糸川桜を見に行ったところ、ほのかに色づいただけで、まだまだでした。

Photo_3

熱海梅園のほうが、今を盛りに匂うがごとく、でした。
以下は、目についた花のオンパレード。
余分なことはするしません。詳しくは後日に譲ります。

Photo_4

紅梅です。誰がなんと言おうが紅梅です。

Photo_5

紅梅と拮抗するのが言わずと知れた白梅。こちらは枝振りを愛でて。

Img_6196

黄梅も忘れてはならないし、蝋梅も──

Photo_8

椿は、すこーしくたびれかけているよう。

Photo_7

水仙もこの季節にふさわしい。

Photo_9

これはこれはにぎやかなこと、万両、万両。

Photo_10

「カチューシャ かわいや わかれのつーらさ……」は中山晋平作曲。
カミさんの名前は、このカチューシャで一世を風靡した女優さんにあやかってつけられた(ホントかしら?)ということで、この中山晋平旧居に入らせていただきました。

Photo_13

みぞれが降ってきましたが、3年前にたずねたここ「起雲閣」の庭園を再び訪ねました。水曜休園日なのに、今日はありがたいことに「臨時開園」でした。

Photo_14

芯から冷えてきそうな冷気とミゾレ……委細はのちほど、いうことでおおいそぎで熱海駅前に戻りました。
「熱海は静岡だよ、熱海は温泉地だよ、熱海は梅の開花が日本一早いのよ。
なのに、なんでこんなに寒いのよ、ミゾレがふるのよ!」
またはじまった、カミさんの……知るか、そんなこと!
もうさっさと早く帰ろう。それがいい、それがいい。ということで小旅行は終りました。メデタシ、めでたし、ではありませんでしたな。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

三たび奈良を訪問(その3)奈良から大阪、そして熱海へ大移動

「奈良はもうけっこうですから、大阪へ行きたーい」と、突然のワガママが……。
「しょうがないなア」と言いながらも、腹の中は──じっと辛抱です。

Photo

近畿鉄道で難波へ行き、そこから動物園前へ移動です。
コテコテのナニワを見た-い、とのことで通天閣へ。

Photo_2

通天閣と言えばビリケンさん、ゴリヤクをもらいましょ。通天閣は、まるでグリコの大売店!
と、イヤーな予感が……すると、こんどは「グリコのゴールと、狂乱して川に飛びこむところに行って見たーい」。
あーあ、やっぱりそう来たか! いいでしょう、こうなったら付き合いますよ、どこまでも。

Photo_3

地下鉄で行くのがツライとのことで、タクシーに乗ったら……
「運転手さん……」と、かみさんは話し合って、なんとアベノハルカスに向かわせてしまった。
東京スカイツリーの入場料とくらべると、大人ひとり1500円で、ハルカスの展望台へ。

Photo_4

ハルカス展望台で、満喫しないで、「さあ、道頓堀へ行きましょう」だって。

Photo_5

大阪道頓堀 戎橋に着きました。「だれか飛びこまないかなア」って、本気に口走っているのだ。まわりは、ぴゃあピャアの大陸の集団ばっかりだから、だれも不思議に思わないから怖い。このさき「あんた、飛びこみなさいよ」と言い出しかねないかも。
すこしハイになっているようなカミさんが、「満喫した旅のシメに、『ラブねこ』のお鶴さんがこのあいだ行かれた熱海の梅園に行きましょう。キメタ!」
こうなったらとまらないのが、カミさんの地だ。
「行きましょう、ゆくよ、さあいまからなら夕方には着くよ」

Photo_6

5時58分、熱海に到着です。宿探しを新幹線内で携帯で予約。食事は間に合わないので、どこか駅の近くで、とさがしたが、一斉定休日、……。

ということで、本日の大移動は 無・事・完・了 しました。
冷静になって、「なんなんだ、今日は……」と、われながらあきれた!

| | コメント (1) | トラックバック (0)

三たび奈良を訪問(その2)

とかく旅先では枕がシックリしなくて、熟睡はむずかしい。不機嫌な寝覚めになってしまった。 今日は斑鳩を歩くという計画で、JR奈良駅から電車で出発。

Photo

奈良駅西口は、東口とは違って、パサパサした無機質な印象。

Photo_7

JRで料金220円で、三つ目の駅が法隆寺駅。ここで下車して、約30分ノンビリ歩く。

Photo_8

法隆寺山門と五重の塔。わたしは一昨年に次いで、カミさんは初めての訪問。

Photo_9

ポツポツと小雨が……。ひどくならなければいいが、と境内の生け垣の赤い椿におねがい。

Photo_10

夢殿を目にした瞬間、「あら、こんなに小さかったかしら?」とかみさんが言う。なにをもってそう言うのか、わかりません。ときどき、ひょこっと理解しがたいことを言うので困る。

Photo_11

昭和二十四年の今日、1月26日、金堂の壁画が火災で焼損。この日から、文化財防火週間が設けられ、ここ法隆寺では法要のあとに放水デモがおこなわれることに。予期しなかっためぐりあわせでした。

法隆寺を後にして、斑鳩の里をウオーキング。かつてお江戸日本橋から日光まで一緒に歩いたのには、やはりカミさんのペースは遅くなっている。彼女のペースで歩くので、多少まどろっかしいいんしょうはいなめない──な、やはり。

Photo_12

法輪寺三重の塔。昭和十九年に雷で焼失、幸田文さんと西岡棟梁の再建にかけた意気込みに感動して、ぜひとも訪れたかったところです(詳しくは後刻)。

Photo_14

法輪寺の収蔵館、感動の場面でしたが、残念なことに写真厳禁でした。

Photo_15

少し歩いて、法起寺へ。三重の塔も、

Photo_16

本堂も、質素そのもの。加えて、先の戦争で供出させられた梵鐘は帰らず、かつての鐘楼は朽ち果てて、いまは土壇だけが残っているのみ……。

Photo_17

斑鳩路の峠をひとつ超えふたつ超えて、たどり着いたのが慈光院。いささかお茶をたしなむカミさんのために連れてきた。武家に圧倒的な支持を得た石州流の茶、そして臨済宗大徳寺派の寺院でもある。お茶を一服所望し、茶席の風情、庭園の美を堪能させてやりたい、そんなわたしの優しさをわかるかな……。

Photo_18

お茶をいただき、先刻の雨で多少滑りやすくなっている庭園は見学不可とのことでしたが、たってのおねがいということで、庭園をみてまわることを許してくださいました。

Photo_20

よく手入れの行き届いた庭園を見て回り、カミさんはすっかり満足したようでした。「かんしゃします」だって。わたしに感謝するなんて、いままであったことはないのに。

Photo_21

奈良交通バスの奈良市内一日1000円フリーパスのチケットを買ってあるので、小郡城を車窓展望して帰路につきました。ことわっておきますが、このフリーパスは決してオトクではない。本数が極度に少ないし、次々と周遊するコースのかなった路線が備わっていない。おまけに、たとえば今日のような奈良駅から法隆寺まで、JRなら15分ほどなのに、奈良バス利用だと一時間は軽く時間がかかるのだ。ありていにいえば、買って損した(とわたしらの場合は言いたい)。

Photo_22

心配した雨に降り込められずに、ぶじ本日の計画は終了でした。
今夜は早めに休んだ方がよさそう、いつものように8時には就寝したいもんだけど、いまこのアップは、間もなく9時を迎えそう。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

三たび奈良を訪問(その1)

「新幹線に乗りたい」と、まるで幼児のようなカミさんの願い。
ならば、というわけで、三たびの奈良彷徨に出かけました。
「奈良から大阪へも行きたい。だって、いちどもナニワへ行ったことがないんですもの」とも言う。とりあえず奈良へ行ってから、その後を考えることにした。

Photo


妙なもので、いままで新幹線に何度も乗車したが、はじめて富士の雄姿を見ることができた。すばらしい、のひとことに尽きます。

Photo_2

京都駅で乗り換え、宇治へ来ました。長く工事中(今風に言うならリニューアル、いやお化粧直しか)だったので、見る機会がなかった、平等院に向かう。

Photo_4

ちょっとお休み──町なかの国道に面して銭湯があったので撮影。

Photo_5

宇治橋のほとりに紫式部が。夢の浮き橋のゆかりだそうです。
あなたに質問「あなたは源氏物語を読まれましたか。夢の浮き橋を読みましたか?」と、問いかけてきた彼女の顔の、なんとまあ幼いこと! 驚きです。

Photo_6

平等院鳳凰堂。見学には一時間半待ちの混みよう。一回五十名単位で二十分の所要時間とかで、中の見学はやめました。

Photo_7

鳳凰の凰をグーッとひっぱった望遠で撮りました。

Photo_8

そして、JR奈良駅に来ました。

旅先でのブログ更新はあわただしいし、カミさんをほっぽって置くわけにも行かない。とりあえず、「今日はこんな所に行きました」にして、旅を終えて帰宅してから、あらためて回顧形式でこまかな記録をアップすることにしましょ。
いわば、感慨のとぼしい物になりますが、お許しを……

| | コメント (0) | トラックバック (0)

奈良の寺々 6

空模様が不安定で、朝食のラウンジからの駅前風景は、小雨が降っていました。

雨は、宿を出発したころにはやんでいたので、傘をさしての移動にならないで済みました。要心のために折りたたみ傘は携行しました。

時間時を見計らうのに、奈良公園を散策しました。

Photo

猿沢の池から春日大社へ向かう途中に、文人たちの利用で名高い菊水楼があります。落ち着いた雰囲気で、なろうことなら、わたしも泊まってみたい……。

Photo_2

菊水楼の裏手の荒池、いい風情を醸していました。交通量が多く、しかも坂道に面しているわりには喧噪感はありません。

Photo_3

恒例の鹿の角切りは来週末からの三連休に行われます。あと一週間遅く奈良に来れば見られたのに……でも、1000円もかかるんですネ、見物するには。

26

そして、こちらも恒例の秋の正倉院展、月末からの開催ですから、こちらも見られません。まっ、いずれは見に来るでしょう。平均寿命はまだ多少残っていますから、生きていれば……。

Photo_4

奈良国立博物館旧本館、現「なら仏像館」で開催中の──

Photo_5

「珠玉の仏たち」展を見学します。展示品では、とりわけ如来像に関心をもって拝見します。釈迦如来、薬師如来、阿弥陀如来、大日如来、そして弥勒如来をしっかり見ます。
今回の奈良の寺院を巡っていて、激しい頭痛に三回襲われました。めがねが合わなくなっているのか、緊張がつづいたせいか、原因はわかりません。そんな苦しさの三回が三回とも、薬師如来像のまえに立つと、すーっと痛みがきえてゆく体験をしました。私の人生72年で、はじめてあじわった不思議な体験でした。

2013

博物館内は、すべて撮影NGでした。
博物館から奈良公園にまわると、「まほろばざーる2013」のイベントが行われていました。たくさんのテントで即売品が並び、中央の舞台ではアトラクションも。そんな中に、鹿が草を食んでいました。あ、そうそう、この鹿たちが生息しているおかげで、奈良公園は草刈り作業はいらないと聞きました。むくろじほどの鹿のフンは始末しなければなりませんけど、とも。

Photo_6

ついでに、奈良公園の近くなどの飲料水の自動販売機は、このように景観を保つため、すべて外観が統一されています。メーカー別のあの独特の派手ばでしさがないので、スッキリしています。

奈良からちょっと京都に飛びました。宇治に行きました。

Photo_7  

日本の禅宗は臨済宗、曹洞宗、それに臨済宗のもとに黄檗宗があります。
その黄檗宗の大本山、黄檗山万福寺をお参りします。総門の右手に大きな看板が出ています。「売茶翁没後二五〇年/第四〇回 月見の煎茶会」。
着物姿のあでやかなご婦人方がぞくぞくと門をくぐって行かれます。ひょっとしたら、よきかなこの美人たちのながめは、になりそうです。

Photo_8

まえを歩いて行かれるご婦人の後ろ姿、高く結い上げ髪にながい上着、そして幅広のパンタロン(?)、一瞬、天平夫人がお歩きか、と錯覚しました。
この寺は、江戸時代に中国から渡来した隠元によりひらかれた、中国の明の時代の様式で伽藍が配置されています。創建当初の姿をそのままとどめています。

Photo_10

寺の玄関に当たる天王殿、祀られているのは弥勒菩薩の化身である布袋〈ほてい〉尊デス。デップリ肥えた腹をつきだしてユーモアそのもの。

Photo_11

法堂の中では茶会が開かれていました。センが床に敷き詰められた法堂に立ちたかったけど、ご婦人ばかりでとても入る勇気はありませんデシタ。

Photo_12

禅堂、すなわち座禅修行する場所。

Photo_13

残念なことに魚板は目にすることはできませんでしたが、巡照板は見られました。書かれている文言の意味は、「謹んで大衆(修行僧)に申し上げる。生死は事大にして、無常は迅速なり。おのおの、醒覚して、無為にときをすごさぬように」です。修行僧の心を戒めています。

Photo_14

普茶料理で有名なこの寺で、今日は合計10派が参集して、800人の客を迎えて「月見の煎茶会」が盛大に行われています。寺の建物ごとの、各派の茶会という趣向でした。
むさくるしいおのが姿には知らん顔をして、それぞれの茶会をとおりすがりにのぞいて行きました。

Photo_15

茶席よりも、こんなありふれた、野の草花を生けた風情や、

Photo_16

お香を焚いているようすに、やさしい「お・も・て・な・し」の心をうれしく感じました。

それにしても、ずっと前からの素朴な疑問なのですが、いわゆるお茶は禅宗と深い関係がありながら、なぜ茶席や茶会から 禅・ぜん・ゼン がぜんぜん感じられないのでしょうか?
まさか、くささをのこさずだから、なんてことをおっしゃりはしないとおもいますが……。いわゆる、こんにちの茶をたしなむといわれる人口は圧倒的に女性、
それと軌を一にするかのように、俳句をたしなむのも女性が多く、じじつ結社の多くをささえているとか。
かつて、あるひとの「女性が多く進出してくる分野は、かならず堕落する」の暴言に激しく抗議したことがあるのを思い出し、いまいちど考え直してみなければいけないな、きっと。

Photo_19

売茶堂の「茶禅」の扁額をみながら上記の考えに浸っていました。
売茶翁のことは近世畸人伝で読んでいますが、岩波文庫、平凡社東洋文庫に収録されていますので、いちどは読むのもいいでしょう。ダイジェストは骨が折れますから、パスします。

隣接する「有声軒」には、「喫茶去」の額の下に行列して多くの女性が、茶席の順番を待っていました。「喫茶去 まあ、お茶でものみなさい」の趙州禅師の教えなどは、なにも関係ないかのようでした。

Photo_17

| | コメント (0) | トラックバック (0)

奈良の寺々 5 

今日で奈良滞在が5日目です。ほぼ予定してきた寺めぐりを完了しました。
本日はその仕上げという意味で、6月中旬に奈良を見て歩いたときに深い感銘を受けた寺々を、再びたずねます。

その出発する前に……、奈良駅前を紹介するのに、いつも東口(旧奈良駅庁舎があった)だったので、たまには反対の西側に廻ってみました。

Photo

思った通りというか、やはりデス。でも東口のように必ずしも拓けている必要はないのかも。

Photo_17

法隆寺金堂と五重の塔です。

Photo_4

そして夢殿。

Photo_18

正岡子規の 柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺 句碑です。
法隆寺のではなく、東大寺の鐘だった、といわれるようになりましたが、これはこれでいいのではないでしょうか。

Photo_19

法隆寺に隣接して中宮寺が建っています。
門跡寺院の中宮寺の本堂です。本尊の半跏思惟像と天寿国曼荼羅繍帳(ともに国宝)は、撮影NGです。
どこでもNGなので、いささかイラツキはじめていますが、こればかりはどうしようもない。

Photo_20

本堂の脇に會津八一の歌碑が建っています。
みほとけの あごとひぢとに あまでらの あさの ひかりの ともしきろかも
と、半跏思惟像の如意輪観世音菩薩を読んでいます。門跡寺院ということは、ここは尼寺であることをいいます。

Photo_21

中宮寺から法隆寺方向へ戻り、むかしから名高い松並木を歩きますが、だいぶマツクイムシで並木も寂しくなりつつあります。大胆にカットされた根元が連なる道は歩きたくなくなります。

Photo_22

慈光院に寄りました。臨済宗寺院ですが、境内全体が茶席の風情を持ち、自由に庭園などを拝見できて抹茶がいただけます。

Photo_23

庭園の写真をたくさん撮りました(別の機会に紹介します)。抹茶をいただくのに、「どうぞ、お気楽に」とすすめられて、おいしくいただきました。

Photo_24

薬師寺金堂ですが、薬師三尊像は撮影NG、三重の塔の東塔は修理中でした。

Photo_25

薬師寺三重の塔・西塔です。それぞれの屋根の下にモコシが着いているので、一見して六重の塔と思う方が多いとのことです。

Photo_26

薬師寺の奥に、玄奘三蔵院が新しく建てられ付設の平山郁夫の大唐西域壁画殿に、画伯の絵が陳列されています(撮影NG)。

Photo_27

唐招提寺金堂です。薬師如来の本尊は撮影NG。

Photo_28

唐招提寺の境内は、独特な建築様式群にあふれています。

Photo_29

御影堂には鑑真和上座像と、東山魁夷の障壁画がおさめられていますが、ふだんは公開されていません。
鑑真和上座像はさきごろン千万円かけて、レプリカが完成し、こちらは常時公開されています。
この句碑は、芭蕉の 若葉して 御目の雫〈しずく〉 拭〈ぬぐは〉ばや デス。

Photo_30

平城京址朱雀門です。宮内庁が管理しているこの一帯を100年単位で、すでに復元している南大門と合わせて、かつての平城京をよみがえらせる計画が進行しています。

ということで、「奈良へ入ってこよう」は明日で打ち上げます。
駆け足で見て回るのは、さすがにヨルトシナミでしんどいものがありました。
忘れ物がおぼろげながらその姿を現わしてきています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

奈良の寺々 4

今日は、昨日の明日香にほど近い当麻寺と秋篠寺、それに西大寺を訪れる予定です。いずれも近鉄に乗らなければなりません。
JR奈良駅前に宿を取っているので、近鉄の利用に若干のムダをかけなければなりません。次回からは、いつになるかわかりませんが、奈良へ来るときには近鉄沿線に宿を決めることにします。

Photo

当麻寺を訪れました。例によって、本堂内は撮影禁止です。
実は、ここの本尊はハスの糸で中将姫が織られた曼荼羅図なのです。
ほかに、白鳳時代の国宝・弥勒菩薩像も安置されています。拝観料をおさめても撮影NGは、弱ったもんですね。

Photo_2

天平時代に立てられた東西ふたつの三重の塔です。

Photo_3

奥の院は牡丹苑としても有名です。

Photo_4

日本で最古の梵鐘がつり下げられている鐘楼です。ハカマばきの鐘楼は鎌倉期のものではないかしらん。

Photo_5

これも「日本最古」の石灯籠です。日本最古がふたつもあります。

Photo_6

秋篠寺のこの本堂に来るまでに、緑の樹木の生い茂る中を、色鮮やかなコケを目にしながら、白い玉砂利をふみ歩きます。本堂には、本尊の薬師如来の座像、伎芸天の立像が安置されています。こころなし愁いを感じさせる伎芸天はぜひ多くの人に見てもらいたいですネ。

Photo_7

これだけの広さにびっしりとコケが生きているのは圧巻です。
賑やかな喧噪の町のまっただなかにあって、この寺の中の静けさはたぶん、この苔から生まれてくるのかもしれません。
隣接する競輪場が、今日は休みですが、もし……レースが開催されていたら、どうなんでしょうか。

Photo_8

かつて「老いらくの恋」で一世を風靡した(といっても知らない人ばかりでしょうが)川田順の歌碑です──諸々のみ佛の中の伎芸天何のえにしぞわれを見たまふ──。

Photo_10

光線の具合か、わかりにくいですが、會津八一の歌碑です──秋篠のみ寺をいでてかへりみる生駒がたけに日はおちむとす──。

ほかに(會津八一の「鹿鳴集」を解説した)、吉野秀雄の歌碑もあります。

Photo_11

もう秋なのに……

Photo_12

まだ咲いているの……

Photo_13

南都(奈良のこと)七大寺の一、西大寺を訪れました。四王金堂には、釈迦如来立像、文殊菩薩、弥勒菩薩が安置されていますが、ここも撮影NGでした。

Photo_14

西大寺本堂では、奇しくも「光明真言土砂加持大法会」の最中でした。真言律宗総本山の西大寺最大の年中行事が執り行われていました。

午前中頭痛に悩まされ、午後は蒸し暑くて、終日絶不調で過ぎました。
疲れが出たようです。早めに宿に戻り、宿の湯(一応、温泉です)につかって、すこしうたた寝をしました。

冒頭の「今日は、昨日の明日香」のことばあそびに気づきましたか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧